個人の感受性と所有物を司る ”金星” と
発展と拡大を象徴する ”木星” のアスペクト

金星 木星 アスペクト

 

金星と木星のアスペクトが、コンジャンクション(合)0°、セクスタイル60°、トライン120°、オポジション(衝)180°、スクエア90°の各パターンで形成した場合、出生図に現れる影響を詳しく紹介しています。
また、ネイタルチャートの金星に木星がトランジットした際に現れやすい影響も記載しています。

 

西洋占星術における 金星木星のアスペクト(前書き)

金星木星のアスペクトは、「金星快楽や所有物と、木星拡大と発展」が絡むアスペクトです。

金星は人生における「楽しみ」を司ります。
その金星が拡大を促す木星とのアスペクトですから、ハードでもソフトアスペクトでも人当たりは良く、良い印象を得られる傾向があります。
また、ソフトアスペクトの方は、容姿に美しく、悪のない雰囲気が漂っています。

金星は、牡牛座と天秤座のルーラーです。
牡牛座的要素の所有物を表し、自分の好む物・食べ物、物質的な関わりによる楽しみに関係します。
天秤座的要素では、協調性と優れたバランス感覚による愛と平和を司ります。

木星は、射手座のルーラーであり、魚座のサブルーラーです。
拡大と発展を司る天体ですから、良い事に関して喜びとなりますが良くない事も拡大します。
木星は、ソーシャルプレネットと言われ、社会的な事柄に影響を及ぼす傾向がある天体です。
個人に及ぼす傾向としては、おおらかで包容力が豊かな気質を表します。

金星と木星 コンジャンクション 0°(合)

オーブ(許容度数):6度

0° コンジャクション記号見栄ではなく素直に”華やか”

コンジャンクション(合)のアスペクトは、同じ四元素(エレメント)で、同じ三区分(クオリティ)、同じサインで構成されるアスペクトです。
金星 木星 合 上記の図の場合…

強調のアスペクトコンジャンクション(合)を上記の図で例えると…魚サインに金星と木星が入っています。
同じ四元素(エレメント)で、”水のサイン”。
三区分(クオリティ)においても、同じ”柔軟宮”です。
(バックグランドが、ピンク:活動宮、黄色:不動宮、水色:柔軟宮)

上記の図の場合、金星は魚サインに入り、品位がエグザルテーション(exaltation)、直訳すると「高揚」している状態です。
そして木星も魚サインに入り、品位がドミサイル(domicile)、直訳すると「住まい」と言われる処に居ます。
木星にとっては自分の家で、のびのびしている状態です。
金星・木星共に品位としては、良い状態のコンジャンクションアスペクトです。

他人の気持ちを敏感に察し、共感するので多くの人々に好かれるでしょう。
ただ、恋愛に関しても同じような傾向があります。
男女間において博愛的な行動は、問題の原因なりかねないのでご注意を…。

金星と木星 コンジャンクション(合)のアスペクトによる影響

人を引き付ける”金星”が、木星による”発展”の影響を受けるので、社交の場では非常に目立つ存在でしょう。
金星が司る「好きなこと(快楽)」や「所有物」においても木星が拡大を促します。
その為、趣味にもかなり投資をするタイプでしょう。
人間関係においても、お付き合いが良く関係も良好です。

出生図の金星にトランシットする木星とのコンジャンクション(合)

ホロスコープにおける出生図の金星にトランジットしす木星がコンジャンクション(合)となるのは12年に一度起こります。

一般的(教科書通り)には、「恋愛の大チャンス」と言われます。
ただ、金星と木星のコンジャンクション(合)だけでは、身も心も燃え上がるような恋愛とはならない可能性があるでしょう。

木星は拡大発展の天体ですから過度な刺激的や高揚感を与えてはくれません。
むしろ、道徳と精神性を表す天体です。
ドキドキ・ワクワクするような恋愛は期待しない方が良いでしょう。
ただ、恋人との結婚を調えるには良い時期でしょう。

ネイタルチャートで金星にトランスサタニアンや土星によるハードなアスペクトがあると「恋愛チャンス」を感じ辛くなるでしょう。

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金星と木星 セクスタイル 60°

オーブ(許容度数):4度

60° セクスタイル記号過度にならない感性と愛情

セクスタイルのアスペクトになる場合のエレメント(四元素)は、基本的に”風と火”・”地と水”です。
この関係では、”地は水の器になるり”、”火は風に煽られさらに燃え上がる”
このように、異元素からの影響を燃料のように使います。

クオリティ(三区分)においても、基本的に”活動宮と柔軟宮”、”不動宮と活動宮”、”柔軟宮と不動宮”の関係です。
それは、無理なく有効に発動させます。
venus-jupiter 60上記の図の場合…

牡牛に木星が入り、蟹に金星が入っています。
エレメントは、”地と水”、クオリティは、”不動宮と活動宮”です。
(バックグランドが、ピンク:活動宮、黄色:不動宮、水色:柔軟宮)

上記の図では、牡牛の金星が物質的な欲や愛情が強く表れますが。
その欲望を上手く蟹の木星が、保護者的な能力に使いこなすようなアスペクトです。

金星と木星 セクスタイルのアスペクトによる影響

金星が司る、快楽や愛情に木星の発展や拡大の作用を程よく促します。

四元素(エレメント)では、お互い必要とする異質な素質を上手に使い助け合う関係となるアスペクトです。
風(双子・天秤・水瓶)と火(牡羊・獅子・射手)の組み合わせなら感性を上手に発展させ、水(蟹・蠍・魚)と地(牡牛・乙女・山羊)なら物質的な安定がえられます。
いずれも、木星の影響を過剰に受けるとがないので、悪趣味な嗜好や贅沢な行動に走る事はないでしょう。

金星と木星 トライン 120°

オーブ(許容度数):6度

120° トライン記号大らかだが…”大雑把”

ソフトアスペクトのトラインでは、基本的に木星と金星のエレメント(四元素)同じ元素となります。
調和のとれた関係で、さらにクオリティにおいても”活動から不動”に、”不動から柔軟”に、”柔軟から活動”へ矛盾なく流れます。
(バックグランドが、ピンク:活動宮、黄色:不動宮、水色:柔軟宮)

venus-jupiter 120ソフトアスペクトのトラインを上記の図で例えると…

射手に木星が入り、牡羊に金星が入っています。

双方ともに火のサインですから、四元素(エレメント)は、”火と火”。
三区分(クオリティ)においては、”柔軟宮と活動宮” です。

上記の図の金星と木星は、共に順行している状態とします。

金星と木星がコンジャンクション(合)になった後に出来る ”トライン” のアスペクトです。
それは、速度の遅い天体を追い抜いた後に形成するアスペクトを ”デクスター” と言います。
また、速度の遅い天体を追い抜く前であっても速度の速い天体が逆行していると、”デクスター” になります。

オポジション(衝)の後に、形成するアスペクトを ”シニスター” と言います。

影響力としては、”デクスター>シニスター” となりデクスターの方が大きいようです。

金星と木星 セクスタイルのアスペクトからの影響

三区分(クオリティ)においては、”活動宮と不動宮” や ”不動宮と柔軟宮” 若しくは、”柔軟宮と活動宮” のペアです。
そして、四元素(エレメント)においては、同じ元素で形成するアスペクトです。
その為、金星と木星が同じ元素で繋がり、スムーズに愛を拡大させ援助を得られるような働きをします。

穏やかで常識的な感性を持っているので、対人関係においては大変良好です。
穏やかな感覚は物質面にも現れるようなので、金銭面においても細かくはないでしょう。
ただ、木星が拡大をもたらしますので、穏やかな人柄が時折「大雑把」と評価される場合もあるでしょう。
道徳的な道を外すことはないのですが…「どんぶり勘定」な傾向があるでしょう。

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金星と木星 オポジション 180°

オーブ(許容度数):6度

180° オポジション記号過剰な表現

オポジションのアスペクトでは、エレメント(四元素)が、”地と水”・”火と風”ですからお互いを活かす効果がある関係です。
クオリティにおいては、”活動宮”ならば活動宮同士のように同じクオリティです。
(バックグランドが、ピンク:活動宮、黄色:不動宮、水色:柔軟宮)
異質な元素を燃料のように使い、そのエネルギーを同じ性質(クオリティ)で発揮します。

その為、過剰になる傾向が現れやすアスペクトです。
venus-jupiter 180オポジションのアスペクトを上記の図で例えますと…

乙女(地)に金星が入り、魚(水)に木星が入っています。
四元素(エレメント)は、”地と水”です。
三元素(クオリティ)においては、”柔軟宮と柔軟宮” です。

乙女座(金星在中)は、事実に基づき論理的で偏りのない思考(批判的思考)能力に長けていると言われています。
結果的には、排他的になる傾向があります。
魚座(木星在中)は、みずからの利益を犠牲にして、この世に存在する全てを ”助けよう”  若しくは、”受け入れよう” とします。(利他的)

魚サインの木星が、乙女サインの金星に何でも受け入れるように働きかけます。
乙女と魚は、共に柔軟宮に属するサインですから、自分自身の中で常に調整をかけるような状態。
ジレンマ的な現象に陥る傾向があります。
それがどこで起こるかは、ハウスによってその現象によるシチュエーションが変わります。

 

 

金星と木星 オポジションのアスペクトによる影響

木星が金星に「拡大せよ」と、働きかけるようです。
その為、ファッションが派手だったり、行動が大げさだったり、浪費的で過剰なブランド志向だったりするでしょう。
1ハウスと7ハウスで起こるオポジションは、表面化しやすいので人目に触れやすいようです。
度が過ぎるセンスですから、傍目からは「悪趣味」と評価されることもあるでしょう。
そのような評価を受けても、尻込みすることなく、自分の趣味・嗜好を押し通す傾向があります。

このオポジションは、金星と木星で形成されるアスペクトですが、その他の天体とのアスペクトを形成する場合が多々あります。
その場合、他の天体からの影響も考慮する必要があります。
例えば、縮小を司る”土星”とのアスペクトがあれば、金星と木星のオポジションは抑えられる可能性はあります。

ネイタルチャートの金星にトランジットする木星のオポジション(衝)

綺麗な言葉で表現すると、金星が司る「愛・快楽」を木星が発展させます。
この表現を世間で俗に言う言葉で表現すると「私利私欲」。

何事においても過剰にさせようとするオポジションですから、この欲望を押し通そうとします。

その結果、この時期は、その事柄によるトラブルが起こる可能性が高くなります。

例えば…
金銭面では、困窮しやすい時期なので、その状態を改善させようとサイドビジネスを試みたりするでしょう。
しかし、高額な商材を購入しただけで報酬に繋がらない事態となり、更に経済的な圧迫を強いられる可能性もあります。

ただ…オポジションは人生における「乗り越えるべき試練」です。
一見、失敗のように思える行動であっても、この活動で得た経験を元に一皮むけるチャンスになります。

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金星と木星 スクエア 90°

オーブ(許容度数):6度

90°スクエア記号現実から外れた欲

このアスペクトは、基本的にエレメント(四元素)が、異元素同士(”地と風”・”火と地”・”火と水”・”水と風”)の関係となります。
クオリティ(三区分)においては、”活動宮”ならば活動宮同士のように同じクオリティです。
(バックグランドが、ピンク:活動宮、黄色:不動宮、水色:柔軟宮)

venus-jupiter 90ハードアスペクトのスクエアを上記の図で例えると…

天秤(風)に金星が入り、山羊(地)に木星が入っています。
四元素(エレメント)は、”風と地”のサイン。
三区分(クオリティ)は、”活動宮と活動宮”のサインです。

山羊座のルーラーは、”土星”です。
縮小や無駄を省こうとする土星的要素を持つ山羊サインの性格に染められた木星と、愛と平和を拡散とする天秤サインの性格を持った金星のハードアスペクトです。

天秤の金星にとって、山羊の木星が障害になる場合、山羊が持っている集団的意識が拡大する為、天秤が持っている平等な愛を発揮する事が出来なくなるでしょう。

 

金星と木星 スクエアのアスペクトによる影響

金星が司る「快楽と物質欲」を、木星が大げさに広げます。
場合によっては、分相応以上の物質欲や快楽や恋愛を望むことになるでしょう。

このアスペクトに、他の天体とのアスペクトがない場合は収入を上げる必要があるでしょう。

スクエアは、異質な四元素(エレメント)により、同じ性質に影響を与えるアスペクトですから、常に変化や軌道修正を強いられます。
変化を上手に利用したり、軌道修正を行う事で本来の方針や歩むべき道にたどり着く必要の可能性もあります。

このアスペクトだけで、災難に付きまとわれる訳ではありません。